ボトルネック、と言ったら洋服の種類と思ってました。違ったんですね。

そんなアホな感想はおいておいて。久しぶりに小説の感想でも。遠慮無くネタバレになりますから、未読の方はご注意を。ほんっっとうに、ラストについてまで言及するので、重々お気を付けくださいませ。




スゴイ小説でした。いろんな意味で。語りたくなるくらいにすごかったのは久しぶり。

主人公は、全てのことをただ受け入れ、何もせずに生きてきた高校一年生・リョウ。ぶっちゃけると、パラレルワールドに飛ばされていて、そこは、リョウが知っている世界と少しずつ違っている。そこにはリョウはいなくて、代わりにサキという女子高生がいる。亡くなった恋人のノゾミも生きているし、兄も生きている。不仲の家族も仲がよい。
何が違うのか。それはこの世界ではサキが何かをして生きてきたということ。リョウと真逆のサキ。少しずつ明らかになる、リョウの知っている世界と、サキのいる世界の差違。それはリョウが何もしなかったことにより、最悪の事態を選んでいたのだということを容赦なく突きつけられるということ。
何もしなかったという選択。逆に何かしてきたサキ。同じ立場の対比。しかも、客観的に対比されるんではなくて、自分でその対比に気づいていくところがキツイ。しかも、パラレルだからこそ結果が全然違うことがわかりやすくなっていて、余計に厳しい。
この状態で、自分に絶望しないわけがなく。
ここまで持って行ってのラスト。極端に言えば「生きるか死ぬか」。最後で、主人公は最大の選択を迫られることになるのです。
この展開が秀逸。最大の選択肢が提示されています。
で、なおかつ、ここで物語は終わりなんです。リョウがどっちを選んでどうしていくのかはわからないまま。まぁ、こういう終わり方は好きなんですけどね。

というわけで、ちょっとだけ今後のリョウの行動を考えてみます。
何もしないという選択をしてきたリョウならば、たぶん絶望したまま「生きる」こといなるんだろうけど。
何もしてこなくて、最悪の事態ばかり引き起こしていた自分の人生を背負って生きていくってきついだろうし、パラレルでいろんなことを体験してきたリョウなら「死ぬ」選択をするのがしっくりくる気もする。救われないけど。ただの青春小説なら、生きてそのうち生きる意味を見つけるとかして、爽やかに行く可能性もあるけど、この小説ではそこまでは求めたくないなぁ。構築されている世界観が変わってしまうから。

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